ストーブの芯交換

ご近所さんからストーブの芯交換を頼まれました。

電話での話では”火がつかない”との事。
ご年配の方でしたので、こちらから自宅にお邪魔してみました。
招かれ、玄関から中廊下を通り台所へ、

古いコロナ製ストーブが1台、目に入りました。例によって天板の上には”やかん”がのっています。
早速芯を上げて点火ボタンを押してみると、、静かです。
芯の点火ポイントに火が見えません。フィラメント式なら赤く熱されたスプリングが見えるはずなのですが、、。

このストーブは所謂”スパーク式”でした。
点火装置で高電圧を発生させ火花を飛ばして芯に着火させます。
スパークするときの音が全く聞こえなかったため、”電池切れ”かなと思い後ろの電池ケースを見てみると、、
アレレ、、電池が入っていませんでした。

なんでも、電池を入れてボタンを押しても点かない。だからマッチでつけていたとの事。
でもマッチでも点かなくなったので私に電話されたそうです。
どおりでマッチの燃えカスが底板にあったわけです。

あちこちに汚れとゴミが目に付いたので持ち帰って掃除&芯交換をすることにしました。

古いコロナストーブ

預かり持ち帰った古いコロナ製ストーブです。
替え芯は他のいくつかの機種と共通部品に設定されているので、販売店やメーカーに尋ねると概ね取り寄せられます。

取り外したキャビネット、燃焼筒、給油タンク、芯調節ツマミ

芯を交換する前に先ず本体を分解します。
給油タンクと燃焼筒を取り出し、芯調節ツマミを抜き取りキャビネットを固定しているプラスネジを緩め外しキャビネットを上方へ抜き取ります。

キャビネットを取り外したストーブ内の様

キャビネットを取り外したストーブ内の様子です。
滅多に中を掃除する事はないので、数年も使っているとゴミやホコリが沢山落ちています。
芯交換の前に取り除きます。

点火装置と高圧コード

乾電池4個の低電圧を高電圧に変換する点火装置と、その電流を芯間近のプラグまで送る高圧コードです。
フィラメント式点火ヒーターに比べると着火ミスが少ないようです。
フィラメントの変形や芯への当たり具合を気にする必要がありません。

ストーブの揺れを感知する感震器

ストーブの揺れを感知する”ふりこ”です。ファンヒーターでは感震器と呼ばれている部品です。
地震などで本体が揺れると、振り子が傾いて自動的に芯を落とし消火します。

燃え残ったマッチ棒

本体に備えられている点火プラグでは着火できなくなったため、燃焼筒を持ち上げて芯に直接マッチで火をつけられた後の燃え残ったマッチ棒です。
ありがちですね。
以前、私も応急的にやってました。hi !

ホコリまみれの電池ケース

随分前から電池が入れられていなかったようです。
電池ケースの周りはホコリまみれ。

油受け皿に残った灯油、サビ、水など

油受け皿を上からのぞき込むと、、残った灯油、サビなどが目に付きます。

ペットボトルに取り出した固定タンクに残っていた灯油とサビ、水

残った灯油をスポイトや灯油ポンプ(醤油ちゅるちゅる)を使ってペットボトルに移します。
サビや水も残っていました。

案内筒リングのサビや汚れ

燃焼筒の下にある案内筒リングです。
やはり、サビ、汚れが付いています。
後述のワイヤーブラシでゴシゴシ取り除くことに。

案内筒を固定しているナットと取り外すためのレンチ

古い芯を取り出すために案内筒を取り外します。
3個のナットをレンチで緩めて上方へ引き上げます。

芯案内筒を取り外した直後の芯の様子

煤とサビにまみれた古い芯と案内筒内部の様子です。

サビ付いた芯案内筒の内側

案内筒の内側の筒が錆びついています。
このままにしておくと、芯を交換しても滑りが悪く芯調節ツマミが回しにくくなります。

錆を落とすワイヤーブラシ

ワイヤーブラシで錆を落とします。
そのあと、古新聞紙やボロ布などで筒周りや底に残った灯油、ゴミ、サビを拭き取ります。
拭きづらい底部は、割り箸やドライバー等をあてがいながら拭くと上手く掃除出来ます。

ストーブの底板

本体の固定タンクと底板の間にもゴミやホコリが落ちているので、掃除し易いように底板も取り外しました。
底側からネジを緩め外し、底板を外します。

コロナ純正の替え芯SX-E270WY

芯の直径が75mmのコロナ純正の替え芯です。(SX-E270WY)
家電量販店やホームセンターで入手可能です。
ネット販売もされています。

芯ガイドの付いた古い芯と新しい替え芯

取り外したばかりの芯ガイドが付いた古い芯と新しい芯です。
芯ガイドから古い芯を取り除き、芯付属の説明書を参考にして新しい芯を所定の位置に取り付けます。

芯調整ツマミで上げた状態の取り付けた新しいガラス芯

固定タンクに底板を取り付けた後、水平な場所で作業を続けます。
新しい芯を芯案内筒内側にセットして案内筒を元のように取り付けます。
振り子が立っている状態で芯調整ツマミを時計方向に回し切って所定の長さに芯先が出ているかを確認します。
次に、振り子を倒してスムースに芯が降りるかも見ておきます。

キャビネット、燃焼筒、給油タンク、調節ツマミを取り外しとは逆の順序で元通りに組み上げます。
最後に電池を電池ケースにセットして着火テストをするのですが、給油したカートリッジタンク(給油タンク)の灯油が新しい芯にしみ込むまで30分ほど待ちます。
点火ボタンを押して点火プラグから火花が飛び、上げた芯に火がつき炎が上がったら、燃焼筒の赤熱が安定するまでしばらく燃やし続けましょう。

殆どのストーブの替え芯は先端がガラス芯です。
シーズンオフで仕舞うときには空焼きしておくことを忘れずに。
つまり、固定タンクとしみ込んだ芯の灯油を燃やし切って、乾いた状態でストーブを保管します。
ガラス芯なので芯先が燃える心配はありません。

こうしておくことで翌年もスムーズな着火ができます。

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